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本家の開発が進んでいませんが、その理由には仕事が忙しい、他の趣味も忙しい、国家試験受験の勉強のため忙しいなどがあります。挑戦する(した)資格は次の通りです。ツッコミに書き込めないときは「掲示板 雑談スレッド」でお願いします。
2012年02月23日(Thu) プロジェクトマネージャ
_ [航空通] 気象予報士 疑問点その後
平成23年度第2回(第37回)気象予報士試験の学科専門知識の問4(熱帯低気圧の有無)と問9(等温位線による梅雨前線の把握)ですが、問題不備の可能性について気象業務支援センターに報告しました。今後の試験のためにやり取りを公表します。得られた回答に納得できるものではありませんが、センターはとても親切に対応していただきました。この場でお礼申し上げます。なお、試験問題の内容に関する照会には応じられないことになっていますので、その点ご理解ください。
私の気象予報士試験のための勉強期間は2ヶ月間ぐらいしかなく、もしかしたら何か知識が不十分か根本的な理解の間違えがあるのかもしれません。この書き込みの時点で最大限調べて正確性を期しておりますが、間違えておりましたら前もってお詫びしておきます。間違えを恐れずに公表いたします。また、センターからの回答は私による要約に留めておきます。
●私のメール その1
お世話になっております。
第37回気象予報士試験の出題内容と解答例について疑問に感じたことをご報告させていただきます。
学科試験 専門知識 問4の(b)につきまして、勢力の弱い又は消滅しつつある熱帯低気圧でも
出題の画像と似た状態になることから、出題の画像のみの判断では、必ずしも熱帯低気圧の
存在を否定できないと考えます。
学科試験 専門知識 問9の(d)につきまして、梅雨前線の東側、オホーツク海高気圧にかかる
梅雨前線は気温傾度も存在することから、「850hPa 予想図の等温位線の集中している
ところに着目することにより,梅雨前線の位置を把握する。」ことを否定できないと考えます。
以上です。
→問4に対する回答は、可視画像で組織的な渦は見られないということです。可視画像でわずかに白い部分があるが、朝鮮半島にある積乱雲と比べてその厚さは薄く、組織的と言える大きさもでもなく、これらのことから当該の領域に熱帯低気圧が存在するとは判断できないとのことです。
→問9に対する回答は、一般に、梅雨前線に伴う水平温度傾度は小さく、梅雨前線の南北では露点温度と風向の違いが大きいため、等温位線は不向きとのことです。このことから等温位線の集中に着目することは、梅雨前線の位置を把握するときの手順としては誤りとなるとのことです。
●私のメール その2
お世話になっております。
丁寧な回答ありがとうございます。
今回の疑問点は、解答例が間違っているということではなく
別の解が存在してしまう可能性を報告させていただきました。
>専門知識問4
この問についてですが「判断できる・できない」、「いえる・いえない」の
問でしたら、ご回答いただいた通りと考えます。
しかし、この問には、そのような文言はなく、熱帯低気圧の存在についての文は
素直に解釈すれば「熱帯低気圧が存在する・しない」と受け取れます。
画像の判断で熱帯低気圧の可能性を否定できないのに「熱帯低気圧が存在する」に
対して、誤りとの択一的な選択は困難と考えます。
もし、「熱帯低気圧が存在すると判断できる」となっていれば、可能性の段階であり
断定はできませんので誤りと選択できると考えます。
なお、出題の画像の判断で熱帯低気圧の可能性を否定できない根拠としましては、
添付画像のように低気圧性循環の雲が、出題の朝鮮半島にある積乱雲と比べて組織化
されていない場合でも熱帯低気圧とされていることがあるからです。
もしメール添付の画像の閲覧を禁止されているようでしたら2011年8月4日15:00JSTの
地上天気図と衛星画像をご覧ください。ここでは、関東南の海上にある熱帯低気圧の
ことを指しています。
また、仮に2011年8月4日15:00JSTの画像で出題されたとすると、ご回答いただいた
趣旨では「熱帯低気圧が存在する」に対して「誤り」を選択しなければなりません。
しかしながら、実際には熱帯低気圧は存在しますから「正しい」も正解になります。
このように、「熱帯低気圧が存在する」に対しての「正誤」の選択には、解釈に
あいまいさが残ります。
>専門知識問9
ご回答いただいた通り、梅雨前線の位置の把握は等相当温位線の集中帯に着目することが
適していると理解しております。しかし、出題の文では等温位線と等相当温位線を
比較しているわけではなく、等温位線だけに着目した場合、梅雨前線に温位傾度を
示す部分が存在することから必ずしも間違えとは言えない可能性についての
あいまいさを報告しました。特に、梅雨前線の東側と西側で構造が違うことを
理解していると選択が困難と考えました。もちろん、この場合でも東西両方の構造に
対応しているのが等相当温位線であることは存じております。
以上、よろしくお願いします。
→回答なし
●私のメール その3
お世話になっております。
以前、下記の報告をした者ですが、出題にあいまいさは無かったということで よろしいのでしょうか。
>専門知識問4
この問の(b)につきまして、7月上旬ということと画像からの判断で
熱帯低気圧の可能性を排除できるのでしょうか?
熱帯低気圧の存在を判断できないから誤りを選べるという
問にはなっていないように思います。
>専門知識問9
この問の(d)につきまして、梅雨前線の東側(オホーツク海高気圧の勢力範囲)の
構造を把握する上で、等温位線で梅雨前線の位置を把握することは手順として
誤りなのでしょうか?
梅雨前線の東側においては、梅雨前線の位置が分からないほど温位傾度が
不鮮明ではありません。また、石垣島地方気象台のホームページでも
「本土付近の梅雨前線は、小笠原高気圧(温暖・湿潤)とオホーツク海高気圧
(寒冷・湿潤)とのぶつかり合うところにあたります。」
http://www.jma-net.go.jp/ishigaki/school/200305/kyoushitsu_tsuyu.htm
とあります。このように梅雨前線の位置を把握できるものを、等相当温位線よりも
鮮明さに劣るからと言って、手段として択一的に誤りとは言えないと思います。
→問4に対する回答は、2011年8月4日15:00JSTの可視画像では、熱帯低気圧に対応する下層雲による渦パターンが明瞭に見られるとのことです。一方、本問の可視画像にはこのような下層雲の渦パターンが見られないため、熱帯低気圧が存在するとの判断はできないとのことです。
→問9に対する回答は、この問は実況と数値予報の対応や大気の立体構造を把握する時の 手順の妥当性についての問題であり、その方法で把握が可能かどうかを聞いたものではないとのことです。
センター側の見解を聞いてみるとなるほどと思うところが出てきます。問9については、完全に「手順」の受け取り方の相違のようです。「一般的な手順」とか「多く採用されている手順」とか一言追加しておけば相違もないのに、なぜそれをしないのか疑問です。国家試験では結構引っかかる言葉遣いが多いのですが、それは人によって受け取り方に相違が出ることを防ぐためだと思いますけど、この問ではその配慮に欠けていると思います。問4についての考察は後日します。